2018年6月末、静岡県焼津市の甲斐犬ブリーダー(70代)が入院し、意識不明状態となりました(現在は意思疎通困難)。親族の方からの相談が、他のボランティア経由で当会に寄せられ、7月5日に現場に足を運びました。
成犬が24頭(オス5,メス19)。年齢は1歳ほどの若い犬から、繁殖不能な高齢犬までさまざま。
最低限の餌と水は親族の方が与えてくれていましたが、糞尿は垂れ流し、散歩もされず、かなり気が立った状態でした。
現在は、1頭ずつ係留しながら、飼育環境の改善を行っています。これまで首輪をつけたり、係留された経験がないことから、それだけでも順調には進んでいません。また飼い主以外の人間に馴れていないため、うかつに手を出すことについては、大きな危険もあります。ボランティアが出入りする中で、どのていど人に対する警戒感が薄れていくかが、重要になってきます。
環境改善後に、各犬の健康診断や治療、ペットとして飼われるための躾など、譲渡可能となるまでには、超えなければならないハードルが数多く存在します。
また飼い主がブリーダーであり、現在意思疎通ができないということから、所有権についてもはっきりさせる必要があります。これについては、現在対処中ですが、1~2ヶ月ほどかかる見込みです。
2016年 秋 焼津市内 柴犬ブリーダー崩壊 31頭
2017年 冬 藤枝市内 個人多頭飼育崩壊 柴犬20頭
私たちは、おととしから立て続けに、ブリーダー崩壊・多頭飼育崩壊に関わっています。
決して望んで関わっているわけではありません。
責任を負うべきは、自分に何かあった場合の備えを全くしてこなかった飼い主本人です。しかし、責任をまっとうする能力も資金もありません。
犬たちは被害者です。私たちのような愛護団体が関わらなければ、殺処分される運命です。
前2件の柴犬達は、現在あたらしい飼い主様のもとで、幸せに暮らしています。犬自身が幸せなだけでなく、飼い主様のご家族も幸せにしてくれています。
今回の甲斐犬たちは、今までの柴犬たちと違い、人馴れしておらず、私たちが触ることさえままなりません。厳しい見通しではありますが、諦めることなく、全頭譲渡できるよう努力していくつもりです。
この犬たちを救うために、多くの方のご協力が必要です。
「資金の寄付」「ボランティア参加」「譲渡」など、可能な方法でのご支援をおねがいします。